なぜ人は損切ができないのか?

投資

前回、こうした悪趣味な記事を買いました。

この記事の執筆を通じて実感したのは、「損切の重要性」そして「人は損切ができない」ということ。

なぜ、ここまで悲惨な結果が出そろうまで、合理的に判断が下せないのでしょうか。(悲惨な結果の具体的内容は上記の記事をご覧ください)

今回は「なぜ、人が損切りできないのか?」についてです。

今回の記事を読むと……
☑なぜ人は損切できないのかが分かります。

そもそも「損切り」と「塩漬け」とは

「損切り」とは、字面でなんとなく想像できるかもしれません。

株価が下がってしまった株を、売ってそれ以上損失が出ないようにすることを指します。

「塩漬け」とは株価が下がってしまったのに「売ると損が出るから……」「またここから反発して上がるかもしれない……」と売るに売れず長期保有してしまうことです。

多くの投資家が適切に損切りできず、株を塩漬けしてしまう。なぜか?

A. 損は「し始めた」時よりも「よりひどくなる時」の方が苦痛が少なくなるように人間ができているからです。

これはプロスペクト理論と呼ばれる理論によって説明されています。

具体的に説明すると、「+-0の状態からー50の時の心理ダメージ」>「-50の状態からー100の時の心理ダメージ」ということ。

最初に50万失った精神的苦痛より、マイナス50万の状態からさらに50万失いマイナス100万になる方が精神的苦痛が少ない、というもの。

まさにこれが観察されたのが今回の暴落でした。

致命的なダメージを負った多くの投資家は、損失の最初の段階では動くことができず、マイナスが大きくなった、即ちダメージが少なくなった状態でやっと損切をしているという場面を多く見ました。

人間の心は元々投資に不向き

「くじX」「くじY」という2種類のくじがあるとします。どちらのくじを、より「欲しい」と思うでしょうか?

【Q1】
くじX:100%の確率で4,000円をもらえる
くじY:80%の確率で5,000円をもらえるが、20%の確率でハズレ(0円)。

少し計算すればわかりますが、どちらも期待値は同じ4000円です。

が、期待値という観点からすれば、どちらをひいても同じです。

が、多くの人は「くじX」を好みます。

もう一例見てみましょう。

【Q2】
くじX:100%の確率で4,000円の罰金を支払う
くじY:80%の確率で5,000円の罰金を支払うが、20%の確率で罰金なし

これも期待値は同じ、-4000円です。

が、多くの人は「くじY」を選びます。

つまり多くの私たちは、「損失の方が利得よりも「痛い」と思うから、損をするときにリスクをとるわけです」

ここで見てきたように私たちは、「損失を恐れるあまり過大評価し、利得を過小評価する」傾向にあります。

これが、そもそも「人間が投資に不向きに作られている」といわれる所以でもあります。

だって、本来は余裕のある利得を得られるときにはリスクをとってより高い利得を狙い、損失の場合はリスクを避けて損失を小さく収めたほうが合理的ですから。

これもプロスペクト理論です。もっと詳しく知りたい方はググればいくらでも文献が出てきます。

まとめ

機械的な損切は必須。

特に株を購入するときはあらかじめ出口(利益○○%で利確。○○%で損切 or 10年はホールド等)を決めておくことの重要性を感じました。

それでは、今日もいい日になりますよう。

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