少し前ですが、2021年6月30日付で金融庁からこうした注意喚起がでました。
結論から言いますと
「レバレッジETFは、短期売買のためのもの」
「投資初心者には、レバレッジETF(レバナスなど)を積み立て投資している人がいるが、それは十分に注意して行え!」
という内容です。
そこで、TQQQを保有している私としては、実際にTQQQは長期保有・投資していいものなのか、非常に気になりました。
検証してみようと思いましたが、グーグル先生は私の考えを先回りして読んでいました。
Can I hold TQQQ long-term? (TQQQは長期投資できるか?)というのがサジェスチョンに出まして。
同じことを思っているのは、投資大国アメリカにもいるらしく、こんな記事を見つけました。
今回はこの「TQQQは長期投資できるか?」という記事が非常に有益だったので、日本語訳してみました。
かなり役に立つ内容になっていますので、ぜひ、最後までお読みいただけたら幸いです。
先に結論
✔一括投資においては、TQQQは容易にQQQをアンダーパフォームしうる。 ✔積立・分散投資であれば、TQQQはQQQをアウトパフォームする。 ✔但し、途中で資産の90%超が吹き飛ぶ暴落を経験するかもしれないため、TQQQの積み立て、分散投資にはロボットのように無感情に固執する必要がある。
TQQQ:ドルコスト平均法を使えば長期保有は可能ですが、リスク許容度が高い人のみが対象です。
✔ポイント
- ドルコスト平均法を使用すると、一括投資と比較して、長期間にわたってTQQQでのリターンを大幅に向上させることができる。
- ただし、この戦略には、下げ相場での大幅な資産額の減少を経験することがあり、1年強で90%以上の損失が発生する場合もある。
- リスク許容度が最も高く、計画に固執するロボットのような意思があり、失う余裕のあるお金で投資する投資家だけが、TQQQを長期的、かつ効果的に運用することができる。
《以下翻訳》
数ヶ月前、私はProShares UltraPro QQQ(TQQQ)とそのTQQQの元になっているETF、Invesco QQQ ETF(QQQ)の長期保有について分析する、過去パフォーマンスをもとにしたバックテストを実行しました。
結論、TQQQを長期間(1年および5年の保有期間)保有することは可能かつ有効とも言えますが、非常にリスクが高く、市場のタイミングに大きく依存していました。
最近の長期の強気相場においてTQQQを長期保有することは、投資家にとって息をのむような結果をもたらしたでしょう。
しかし、2000年と2008年の拡大した下げ相場の中、TQQQを保持していたら、TQQQの投資家は吹き飛ばされていました。
私の記事のコメントには以下のようなものもありました。
それは市場のタイミングを計る代わりに、ドルコスト平均法(DCA)を使用すると、時間の経過に伴う市場の変動リスクを軽減し、TQQQの長期保有したパフォーマンスがQQQのパフォーマンスをはるかに上回る可能性が高くなるというものです。
ドルコスト平均法 シミュレーション
TQQQとQQQに投資するドルコスト平均法投資家をシミュレートして、上記の説が当てはまるかどうかを確認することにしました。
以前のバックテストと同様に、TQQQは、調査が必要な米国での2つの重要な下げ相場の期間(2000年と2008年前後)、利用できませんでした。(TQQQの誕生は2010年)
このため検証においては、1999年にさかのぼる3倍のQQQ日次リターンから導出する必要がありました。
ドルコスト平均法の仮定は、投資家が1000ドルのポートフォリオサイズで開始し、毎月の最初の取引日に、QQQあるいはTQQQを1000ドル買い付けていく、というものでした。 1999年3月から2021年3月までの期間に基づくと、これは、投資家が調査期間中に265,000ドル(265ヶ月=22年)の自己資本を預金することを意味します。
✔一括投資をした場合
1999年3月に265,000ドルのQQQを買った場合
⇒【QQQ】一括で投資した場合、QQQを使用すると、投資家は期末に165万ドルまたは約521%のリターンを得ることになります。
1999年3月に265,000ドルのTQQQを買った場合(あくまで仮定)
⇒【TQQQ】TQQQの投資家は、22年間で36万ドル、つまり36%のリターンしか得られません。
これがレバレッジ型ETFに一括投資する危険性です。
特にこの場合は、大規模な暴落の直前で一括投資をしてしまいました。
このため、QQQの下落がこの長期間にわたってTQQQのリターンを簡単に押し潰してしまったのです。
1999-2021において
22年間にわたってドルコスト平均法を使用すると、一括払いの場合とはまったく異なる様相を呈してきます。
TQQQに投資すると、QQQを完全に打ち負かし、最終的なポートフォリオの価値は、QQQの約150万ドルに対して、1200万ドルになります。
ドルコスト平均法をQQQに使用すると、実際には一括購入に比べて最終ポートフォリオの価値がわずかに低下します。
しかしドルコスト平均法をTQQQに使用すると、資本の大部分が期間の後半、2009年以降の強気相場で展開されるため、初期のボラティリティを抑えるのに役立ちます。
ただし、ドルコスト平均法がTQQQの運用においてこのレベルのリターンを保証するか、ということについては、私は投資家に警告したいと思います。
調査したこの期間では、ポートフォリオのサイズが調査した期間の終わり近くに大きくなっただけで、TQQQを使用したドルコスト平均法は、2つの主要な下げ相場を克服することができました。
ちなみにこの期間は、歴史上最も長く、かつ最大の強気市場の1つと一致しました。
それはまた、投資家が22年間、撤退することなくドルコスト平均法に計画に固執することができたことを意味します。
これは、この時期に起こった2つの大規模な下げ相場を考えると多くの人が考えるよりも難しいことです。
チャートのスケールのため、この戦略が主要な下げ相場でどのように実行されたかを確認することは困難です。したがって、これらの(2つの下げ相場)期間に着目します。
ITバブルの崩壊とそこからの回復(1999-2006)
1999年から2006年までの8年間、TQQQ投資家のドルコスト平均法を基にしたポートフォリオは一般的にQQQ投資家のポートフォリオを下回りました。
IT企業の株価がバブル期に駆け上っている段階においては、TQQQポートフォリオは1年強で1000ドルの開始値から66,000ドルに達することができました。
しかし、その後2000年半ばからの急落により、ポートフォリオは、その期間に約12,000ドルを合計でTQQQに積み立て投資したとしても、97%の損失である2,000ドルに減少することになります!
そしてその後、TQQQは、2007年まで一貫して真に追いつくことはありませんでした。
ドルコスト平均法ポートフォリオで97%の損失を被った投資家が、さらに6年間計画を堅持し、TQQQに投資を続けることができるでしょうか?
これは極めて非現実的な問に思えます。
大金融危機の崩壊と回復(2007-2012)
2007年から2012年までの6年間、TQQQ投資家のドルコスト平均法によるポートフォリオも一般的にQQQ投資家のポートフォリオを下回りました。
2007年の段階では、TQQQポートフォリオは1年足らずで約10万ドルの開始値から22万ドルに達することができました。
しかし、その後の1年半の急激な下げ相場により、ポートフォリオは、その期間に約18,000ドルのTQQQへの入金があったとしても、合計16,000ドルに急落。
実に93%を損失してしまいます。
そしてTQQQは、2013年まで一貫して真に追いつくことはありませんでした。
2013年には、劇的な上げ相場がそれまでの下げを吹き飛ばし、次の8年間でQQQを完全に上回ります。
ITバブル時と同様に、TQQQへのドルコスト平均法によって93%の損失を被った投資家が、数年間変わらずに投資できるでしょうか?
結論
2つの大きな下げ相場を通じても、ドルコスト平均法を適切かつ一貫して使用しTQQQに投資を続けることで、QQQを大幅に上回る可能性があります。
ただし、投資家は、ポートフォリオがほぼ一掃された場合でも、計画に固執し、資金を引き出さないという能力において、ほぼロボットである必要があります。
ほぼロボットである必要があります。
ほぼロボットである必要があります。
大事なことなので3回言いました💛
投資家はまた、TQQQによってQQQをアウトパフォームするためには、歴史上最も長く最大の強気市場のから利益を得る必要もあります。
これらすべての警告を考慮すると、最高レベルのリスク許容度を持つ投資家には、ドルコスト平均法でTQQQを長期的に保持。
また90%を超える損失を出すことを覚悟し、その額の損失をだしてもいい金額で投資することをお勧めします。
もちろん長年引き出さなくてよいお金でなくてはなりません。
また、ドルコスト平均法を使用したTQQQへの投資は、ギャンブル詐欺ではありませんが、市場のタイミングによっては、長期間にわたって機能することが保証されていません。
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