【レバレッジ型ETF TQQQ】TQQQは長く持ちすぎるな?【損しない】【TQQQ投資法】

投資
ジェイくん
ジェイくん

レバレッジETFって、長期で保有したらダメだって聞いたジェイ!
でも、本当のところはどうなんだジェイ……?

ゴンちゃん
ゴンちゃん

レバレッジETFに長期投資するって、本当に悪いことなのか気になるゴン!

今回はそんな疑問を持っている方々のために書いています。

さて、2021年6月30日に金融庁からレバレッジETFに関する注意喚起がありました。

2021年6月30日発行の金融庁の注意喚起、1ページ目

そこで、TQQQを保有している私としては、実際にTQQQは長期保有・投資していいものなのか、非常に気になりました。

そして以前、「TQQQは長期投資できるか?」という記事の日本語訳を書きました。

TQQQだけではなく、レバレッジ型ETFを保有している、これから保有しようとする人にとって非常に有益な内容となっております。

ぜひ、ご一読ください。

さて、今回の記事のテーマは「一括投資をする場合TQQQはどれくらい長く持つのがよいか?」です。

今回も非常に有益な内容となっておりますので、ぜひご一読ください!

ちなみに元記事はこちらになります。

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TQQQ:は長すぎない程度に長く持て!

✔要約

  • QQQ(NASDAQ-100)の3倍のレバレッジETFであるTQQQは、大きなリスクと引き換えに大きなリターンをもたらすかもしれません。
  • バックテストでは、TQQQを1年間保持すると、QQQを上回るパフォーマンスを発揮しましたが、5年間、保持するとパフォーマンスが大幅に低下する可能性があることが示されました。
  • TQQQを長く保持しすぎると、そのポートフォリオをほぼ一掃する可能性があります。なぜなら長引く下げ相場に遭遇することがほぼ確実だからです。

1週間前、S&P 500の3倍のレバレッジETFであるSPXLを長期間(1年)保有する戦略について書きました。

下記の記事においては、S&P 500からの過去のデータを使用して、1990年に遡るSPXLのシミュレートをしています。

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✔上記記事の要約

✔1990年から、SPXLのパフォーマンスはS&P 500のパフォーマンスを71%の期間を上回っています。
✔しかし、残りの29%の期間は、S&P 500が1年間ですでに50%近く下落していました。
✔このため、SPXLが90%下落しました。
✔控えめに言って、SPXLに投資していた投資家たちにとっては、地獄の期間だったといえるでしょう。
✔SPXLは、S&P500が直近で大幅な下落をすることがないと確信している最高レベルのリスク許容度を持つ投資家のみが使用する必要があります。

同じ分析をSPXLの親戚であるProSharesUltraPro QQQ(TQQQ)に拡張していきます。

TQQQとは、NASDAQ-100インデックスを表すInvesco QQQ ETF(QQQ)の3倍のレバレッジETFです。

QQQとTQQQは、過去10年間で人気が高まっています。GAFAMなどがマーケットに出現したことと、COVID-19パンデミック時の回復力が主たる理由です。

2000年のITバブルは、TQQQのようなレバレッジETFを研究するためには、非常に興味深く重要な期間でもあります。

それでは見ていきましょう!

バックテスト

ここでは、1年のリターンでなく、5年間という長い期間も分析していきます。

QQQのデータを1999年まで遡っていきましょう。これは、ITバブルが形成され始めたときであり、この時期から分析を開始します。

TQQQは2011年に設定されました。なので、米国における主要な下げ相場を経験していません。

このため、TQQQのリターンをシミュレートするためにQQQの過去のデータを参考していきます。

モデルの詳細:

  • 各ポイントは、投資家がQQQまたはTQQQへの投資を開始した1日であり、関連する収益は1年(または5年)後の年間収益です。
  • 簡単にするために、配当と手数料は考慮されていません。
  • 1年間のリターン(1-Year Forward Return)は、各ポイント(日時)の253取引日後のリターンです。(253日=1年の平均取引日数)
  • 5年間のリターン(5-Year Forward Return)は、次の5 x 253 = 1265取引日後のリターンです。 5年間のリターンは、リターンが年率(1年当たりのリターン)に換算されています。

1年保有する場合

TQQQ(オレンジ)とQQQ(青)の一年リターン
横軸は投資した日時を表し、縦軸はその一年後のリターンを表す。

1年間のリターンを見ると、結果はSPXLとS&P500のリターンを分析した際とかなり似ています。

トリプルレバレッジは、投資家のタイミングにもよりますが、TQQQが一般的にQQQをアウトパフォームするのに役立ちます。

TQQQの投資家がQQQを上回るために投資する最良のタイミングは、大規模な市場の暴落(2002年と2009年)後の大規模な上昇相場の開始時です。

ただし、投資家がタイミングを正確に逃したとしても、2003年から2007年および2010年以降の長期的な強気市場では、TQQQは依然としてQQQを上回りました。

投資家がTQQQに投資を開始するのに最適な時期は、1999年に技術バブルが大幅に拡大する前でした。

投資家はTQQQで1年間に7倍以上のリターンを得られていたのに対し、QQQでは約2倍でした。

しかし、これは、投資家が投資のタイミングを完璧に合わせ、2000年の技術バブルが崩壊する前に投資をやめた場合にのみ、適用される話ですが……

2000年から2002年にかけて拡大したハイテク株の弱気相場を通じて、QQQの投資家は毎年約50%の損失を出していました。

同時期にTQQQの投資家は、ほぼ3年連続でポートフォリオのほぼ100%を失っていました。

同様に、2007年後半から2008年にかけて、TQQQの投資家はポートフォリオをほぼ100%なくしてしまいました。

一年リターンの分布図

1年リターンの差分の分析
1999年~2020年にかけて、TQQQに一年投資した場合、平均して64%アウトパフォームし、36%アンダーパフォームしている。
グラフが高いほど、その%に収まる確率が高いことを意味する。

ほとんどの投資家が見極めるのが困難な市場のタイミングを見るのではなく、TQQQとQQQの間のパフォーマンスの差分の分布を見ると、TQQQはQQQを約3分の2(青、64%)を上回るはずであることがわかります。(1999から2020年のどこかに1年の投資をした場合)

平均アウトパフォーマンスは23%です。分布のテールは非常に長いため、投資家がタイミングに特に幸運である場合、QQQと比べかなりの量(300%以上)のリターンを期待できます。

しかし、これはすべて投資家にとって重大なリスクがないわけではありません。

分布のパフォーマンスの低い部分(赤、36%)を見ると、最も一般的な結果は40%から50%のアンダーパフォームです。

このパフォーマンスの低下は通常、QQQが大幅に低下している間に発生しているため、QQQに損失に追加で40%〜50%を失うことは、基本的にポートフォリオがほぼ完全に消去されることを意味します。

5年間保有した場合:1年保有よりもひどいパフォーマンス

レバレッジのない普通のETFと株式の場合、ほとんどの投資家は、長期的に堅実なポジションを投資して保持することが、市場の変動を乗り越えて富を生み出す方法であるという格言に従います。

これは、TQQQなどのレバレッジETFでも同様に機能すると考える人もいるかもしれません。

ただし、利益よりも損失を拡大するという非対称効果のため、TQQQを長く保持しすぎると、実際には悲惨な影響を与える可能性があります。

特に、長く保持するほど、長引く下げ相場に遭遇する可能性が高くなります。

それではチャートを分析してみましょう。 

5年間、保有した場合のケースを見てみます。リターンは年率(1年リターンになるよう調整しています。)

TQQQ(オレンジ)とQQQ(青)の一年リターン
横軸は投資した日時を表し、縦軸はその一年後のリターンを表す。
ここでの1年後のリターンは、投資したその後5年間のリターンの1年の平均リターンである。

5年間の保有期間を検証すると、TQQQのリターンは、はるかに悪化します。

2009年以降の長期にわたる強気相場の前は、TQQQがプラスの年間収益を上げることさえ実際にはまれでした。(QQQを上回ることは言うまでもなく)

対照的に、QQQの投資家は、ITバブルの頂点で購入した場合、または2008年のリーマンショックのちょうど5年前に購入した場合、どちらかの場合でのみ、5年間の保有期間で損失を出しました。

2000年代の2つの暴落(ITバブル崩壊、リーマンショック)の間にある長期的な強気相場では、TQQQの1年リターンが一般的にアウトパフォームしましたが、5年リターンは低迷しました。

いくつかの例外は、投資家が2002年から2003年に開始した場合でした。

そのようなリターンの結果になったのは、2008年の大暴落の前に5年間が終了したためです。

それ以外の場合、5年という期間には、すべての利益などを一掃する金融危機の究極の下げ相場が含まれていました。

5年間という保有期間を決めて投資することで、1999年のITバブルの発生時の大幅なアウトパフォーマンスも完全に一掃され、代わりに20年間で最悪の年間損失という結果が出されます。

TQQQとQQQの5年リターンの差分の分布

5年間の保有期間のリターンの差分分布に移ると、結果は少し驚くべきものです。

TQQQは52%の期間しか上回っていません。

確率的にはコイントスをわずかに上回る程度ですね。。。

これらのアウトパフォームしているケースの大部分は、2009年以降の長期の強気相場から来ています。

平均のアウトパフォーマンスの差分はわずか5%です。

TQQQのリスクが大幅に増加していることを考えると、TQQQは長期的な長期保有先にはなりえないことが分かります。

1999年の3月からTQQQをもっていた場合……

1999年3月から今日までQQQを保有していた場合、数多の下げ相場にもかかわらず、資産額は6倍になります。

代わりにTQQQをホールドしていた場合、20年前よりもわずか27%多くなるだけです。

ほとんどは、ITバブルなどの暴落がポートフォリオをほぼ完全に一掃することによって引き起こされます。

しかし、金融危機が発生した直後など、明らかによい時期に投資を開始した場合、状況は大きく異なります。

2009年3月に投資をし、今日まで保持している投資家は、QQQで11倍のリターンがありますが、TQQQでは300倍のリターンがあります。

ただし、市場のタイミングは非常に難しいため、リスクと報酬の観点から物事を見る方がよいでしょう。

結論

TQQQなどのレバレッジETFは、合理的に長期にわたって保有できますが、優れた市場タイミングを見極めることが必要です。

TQQQを長く保持しすぎると、ほとんどの場合、過去数年間の利益を完全に一掃する長引く下げ相場に遭遇します。

ただし、2009年以降購入するなど、長引く主要な下げ相場を回避できれば、TQQQはQQQを大幅に上回る可能性があります。

TQQQおよびその他のレバレッジETFは、リスク許容度が非常に高く、市場のタイミングの見極めが優れている投資家のみが長期的に保有することができます。

この強気相場がどれだけ長く続くか、そして別のITバブルやリーマンショックのような金融危機がいつ来るかは不明です。

ほとんどの投資家にとって、レバレッジなしのETFを保有することは、ポートフォリオにとって長期的にはより良い選択肢でしょう。

おそらく。

※追記

このリスクを克服するために、筆者は「長期・分散・積み立て」という方法で、TQQQを買い進める方法も検証しています。

詳しくはこちらです。

今日もいい日になりますよう。

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