株式投資を続けていくと、成長が期待できるような銘柄に投資したり、あるいは高配当銘柄に投資したりと、次第にその人のスタイル、好みが出来上がってきます。
この投資における選好の差によってどのようなリターンの差が出てくるのか、気になるところです。
この記事では、ハイテク銘柄を組み込んだ、高成長が人気なQQQと高配当ETFとして人気があるSPYDを比較し、どのようなトータルリターンの差が出るのかを調べました。
✔この記事のポイント
- 代表的な成長株ETF(ハイテクETF)QQQと高配当ETF、SPYDの過去5年の成績を比較。
- 配当金を含めても、リターンはQQQの方が大きかった。
- このままハイテク株が成長を続くと考えるならば、ハイテクETFに投資しながら成長分を切り崩していく方が得である。
調査した米国株ETF
✔QQQ
QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1 ETF)という米国ETFのこと。
NASDAQ100指数への連動を目指すETFになります。NASDAQ100指数は、アメリカの株式市場「ナスダック」(アップルやグーグルなどハイテク企業が多い)に上場している会社の中で、主要な約100銘柄で構成されます。構成銘柄は以下の通りです。
今を時めく、煌めく企業たちが燦然とランクインしてますね。
このハイテク企業に投資できるのと同時に、信託報酬(手数料)の安さも魅力です。(0.2%!)
残念ながら現在日本から買えるNASDAQ100に連動するETFではこれより手数料が安いものがありません。
基本的にはQQQは右肩上がりの推移をしています。なんと過去5年では3.2倍!(+222%!!!)
✔SPYD
米国S&P500指数構成銘柄のうち、高配当利回り上位80銘柄に投資するETF(上場投資信託)。
ステート・ストリート社が運用する。
メリット:配当を最大化しやすい デメリット:運用期間が短い、値動きが相対的に大きくなりえる
米国株、高配当ETFとして有名ですね。
✔実際の数字をまとめてみた
以下はそれぞれ1株の購入金額と配当金です。
a)QQQの株価(ドル) | b)SPDYの株価(ドル) | c)SPDYの配当金(ドル)※()内は配当利回り | d)SPDYの配当金累計(ドル) | |
2016(1月8日時点) | 100.84 | 28.07 | 1.541(5.5%) | 1.541 |
2017 (1月6日時点) | 121.93 | 35.30 | 1.423(4.0%) | 2.964 |
2018 (1月5日時点) | 161.92 | 37.48 | 1.619(4.3%) | 4.583 |
2019 (1月4日時点) | 156.23 | 34.37 | 1.746(5.1%) | 6.329 |
2020 (1月3日時点) | 214.18 | 38.98 | 1.633(4.2%) | 7.962 |
上記の表を基に、2016年時点でのQQQとSPYDの株価の最小公倍数、700ドル分両者を購入した場合の、パフォーマンスの差異を見ていきましょう。
表から各年代の成長率を計算し、700ドル購入した場合をシミュレートします。
結果は以下のようになります。
✔QQQとSPYD、700ドルほど購入した場合
| a)QQQの株価(ドル) | b)SPDYの株価(ドル) | c)SPDYの配当金(ドル) | d)SPDYの配当金累計(ドル) | a-(b+c+d) |
2016(1月8日時点) | 705.88 | 701.75 | 38.525 | 38.525 | -34.395 |
2017 (1月6日時点) | 853.51 | 35.30 | 35.575 | 74.1 | -103.09 |
2018 (1月5日時点) | 1133.44 | 37.48 | 40.475 | 114.575 | 81.865 |
2019 (1月4日時点) | 1093.61 | 34.37 | 43.65 | 158.225 | 76.135 |
2020 (1月3日時点) | 144 | 38.98 | 40.825 | 199.05 | 325.71 |
SPDYの配当金はnasdaq.com参照
2016年~17年まではSPYDの成長+配当金が100ドルほど勝っていましたが、最終的に300ドルほど差が付く結果になりました。
この検証の場合の投資額は700ドルなので、300ドルの差は大きいでしょう。投資額のほぼ半分ですからね。
やはり、ここ最近ははグロース株が好調ですね。高配当はよりも高いリターンを出しています。
2010年代はグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト、ネットフリックスが急成長した時代でした。
これらの銘柄に牽引されたグロース株投資はかなり成功したと思われますね。
まとめ
この記事では過去5年のQQQとSPYDのリターンを比較しました。
2010年代は大型ハイテク銘柄の好調が際立った時代だったため、グロース株ETFが高配当株ETFを上回るリターンを上げていたみたいですね。
1点注意が必要なのは、確かに今まではグロース株のリターンが高かったですが、だからといって今後もグロース株が他の投資を上回るリターンを上げるとは限りません。
投資手法にはそれぞれ輝ける時代や投資環境、相場は異なるため、高いリターンを得るためには時代や投資環境にあった投資手法、スタイルを選んでいく必要があります。
皆様はQQQやSPYDはどちらを魅力に感じますか?
それでは今日もいい日になりますよう。
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