「TQQQが買いたい! けど楽天証券では買えないからなぁ……日本の投資信託で同じようなのはないかなぁ……?」
「iFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブル。 リターンも期待できるし買ってみようかなぁ」
今回の記事はTQQQの代わりとして「iFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブル」を買おうか迷っている人、あるいは単純に「iFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブル」を買おうかと思っている人に向けて書いています。
手間を惜しまないならTQQQの方がいい。
結論から申し上げますと、筆者は「iFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブル」ではなくTQQQを買ったほうがいいと考えます。
ちなみにTQQQは楽天証券やSBI証券など、国内の大手証券会社では買えませんが、サクソバンク証券で購入することができます。
サクソバンク証券は、知名度は低いですがTQQQやARKKなどの人気のETFを購入することができます。
但し、「iFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブル」は国内の大手ネット証券で買える、特定口座が使えるなどのメリットがあります。
【注意】 2022年1月現在、サクソバンク証券でTQQQを購入することができなくなりました。 但し、CFD取引ではなら購入することができます。 しかしながら、CFD取引というのは基本的に短期売買が主であり、長期保有には向きません。また、オーバーナイト金利というコストもかかってきます(年3.5%ほど) interactive brokers証券であれば、日本国内からでも現物購入することは可能のようです。
この記事で比較検討して頂けたら幸いです。
TQQQ VS NASDAQ100ブル3倍 徹底比較
TQQQとiFreeレバレッジNASDAQ100 3倍ブルを比較したものが以下の表です。
TQQQ | NASDAQ100 ブル3倍 | |
正式名称 | ProShares UltraPro QQQ | NASDAQ100 3倍ブル |
運用会社 | ProShares ※デリバティブを用いた運用商品を提供する米系アセットマネジメント会社 | 大和アセットマネジメント |
運用資産額 | 12,684m$ (約1.4兆円) | 40.29億円 |
経費率 (年) | 0.95% | 1.52375%以下(税込) |
為替ヘッジ | なし | あり |
信託期間 | なし | 2023年10月20日まで |
流動性 | 〇 | ×(一日一度価格が決定) |
6カ月トータルリターン | +41.39% | +40.81% |
1年トータルリターン | +121.36% | —(設定開始日:2020年10月23日) |
取り扱い証券会社 | interactive brokers証券 サクソバンク証券(CFD取引のみ) IG証券(CFD取引のみ) | SBI証券 楽天証券 マネックス証券他 |
特定口座 | × | 〇 |
それでは一つ一つ解説していきます。
流動性
NASDAQ100 3倍ブルは1日に1度価格が決まり、その価格でしか購入や売却ができません。注文をしてから約定するまでにはタイムラグが生じ、約定するまでは時価がわからないのです。
さらに休日、特に連休中に一切取引ができないという問題もあります。
例えばゴールデンウィークの期間は購入も売却もできません。
もしもこの期間にコロナショックのような出来事が起きて、米国市場が大きく動いても、取引するには次の営業日を指をくわえて待つしかありません。
一方TQQQは相場が開いていればいつでも取引をすることが可能です。注文も成行、指値、逆指値と選択肢があります。
時価総額
TQQQは1.4兆円と圧倒的ですね。NASDAQ100 3倍ブルは40.3億円です。
これはまだ設定されて一年もたっていないことも影響していると思います。
が、2021年2月8日の時点で時価総額が約20億円だったことを考えると、順調に運用資産額を増やしているとは言えそうです。
経費率
TQQQの経費率は0.95%です。
米国のETFとしては比較的高いですが、レバレッジ3倍をかけているので、こんなものかという感じもします。
一方NASDAQ100 3倍ブルはレバレッジ型投資信託の中でもかなり経費率は高いといえそうです。
なお経費率の「以下」という文言が気になったので調べてみました。
目論見書によると連動債券の分を合わせて最大で1.52375%となるとのことです。
✔信託報酬は1.22375%(税込)
大和アセットマネジメント HPより
✔ナスダック100の先物だけでなく「米国の株式市場の値動きを享受する連動債券」「マザーファンドの受益証券」にも投資している。資産の流動性によりその配分比率が決まるため、連動債券の経費率が一定でない(年率0.3%程度)。
ジェイは「日々の変化率をナスダック100の3倍に近づけるため、先物と連動債券と受益証券の割合をリバランスしている」という意味に解釈しているジェイ!
為替ヘッジの有無について
TQQQはドル建てなので、為替の影響を受けます。
✔円高⇒ 円での評価額が下落 ✔円安⇒ 円での評価額が上昇
という値動きをします。
一方、NASDAQ1003売ブルは為替ヘッジがあるため、為替の影響が軽減されます。
なので円高になっても為替差損が出にくいという特徴があります。裏を返せば、円安になっても為替差益が出にくいです。
為替ヘッジは一長一短であるため、ご自身の運用計画、ポートフォリオを踏まえてどちらが向いているかを検討する必要はあると思います。
特定口座について
NASDAQ100 ブル3倍の大きなメリットは、特定口座で購入できるということです。
税金の手続きで有利ですし、何より圧倒的に楽です。
一方TQQQは楽天証券、SBI証券、マネックス証券では買えず、日本国内居住者の現実的な選択肢は、interactive brokers証券で買うことになります。
一般口座で買うしかないため、利益や損失が出た場合は確定申告を自分で行う必要があります。
追証は発生する?
結論から言いますと、TQQQでも、NASDAQ100 3倍ブルどちらでも追従は発生しません。
最悪の場合、商品価値が0になることはありますが(それはほぼ確実にないでしょうが)投資した金額以上に損することはありません。
レバレッジをかけながら、追証の心配をせずに済むのは大きなメリットですね。
NASDAQ100 3倍ブルの大きなデメリット 2選
信託期間
信託期間について、目論見書に次のような記載があります。
信託期間:2023年10月20日まで(2020年10月23日当初設定)受益者に有利であると認めたときは、受託会社と合意のうえ、信託期間を延長できます。
期間は無期限ではなく、2023年10月に打ち切りになる可能性があるのです。
もし予定通りに信託期間が終了すれば、強制的に利確/損切りされます。
運用成績が順調なら信託期間が延長になる可能性が高いと思いますが(さすがに運用会社は投資家の意見を無視はしないと思いますが……)、このように最初の時点で期間が区切られてしまうのはなぜなのでしょうか。投資家としては不安になりますよね……
TQQQならほぼ間違いなく無期限で運用が続くため、このような心配はいりません。
安定運用への切り替え
準価額が5営業日連続して1,000円未満となった場合、最長3カ月程度運用を継続した後、わが国の短期金融商品等による安定運用に切り替えを行ないます。
上記は目論見書にある記載です。
即ち初期設定の10000円から1/10以上下落したら、安定運用に自動的に切り替わります。
これにはメリットと同時に大きなデメリットも伴います。
メリットは全財産を失うことを防ぎぎりぎり資産の1/10を守ってくれるというものです。
デメリットは大暴落により下がった所で安全運用に切り替えられたら、その後のリバウンドでついていけなくなり、資産が永久に戻らなくなることです。
例えば今回のコロナ禍を取ってみても、これは大きなデメリットだと考えられます。急落した後でリバウンドについていけないとなると、その後の株式相場の復調についていけずただただ損失だけが確定してしまいます。
特に値動きの激しいハイテク銘柄の多いNASDAQ100に連動する投資信託としてこの点は大きなデメリットと言えます。
ちなみに「安定運用」の場合には年率0.088%という低い信託報酬で、NASDAQ100を含む株ではなく日本の短期債券で運用される方針のようです。
まとめ
総合的に見ると、やはりTQQQの方がメリットが大きい気もします。
但し、NASDAQ100 3倍ブルは初心者でも楽天証券やSBI証券などで気軽に買えるということも大きな魅力です。
皆さんはどちらが魅力的な金融商品ですか?
筆者はNASDAQ100 3倍ブルも実際に買って保有しているので、運用成績などはほかの記事でチェックできます。もしよかったらご参考にしてください。
今日もいい日になりますよう。
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