投資家は多くの問題に直面するが、「損失回避」というのはおそらく正解のない難問だと思う。
理由は単純に、損失は同額の利益よりも2倍の苦しみを伴うからだ。
この概念は、エイモス・トヴェルスキーとダニエル・カーネマンが1979年に発表した「プロスペクト理論」という重要な論文で初めて定量化された。以下の記事で「プロスペクト理論」については触れているから、ここでは詳しく書かない。
ちなみに、ツイートでもわかりやすく解説しているのでぜひ。
先週、損切ができずに含み損が拡大した方のツイートが散見されました
— 投資サラリーマン蔵之介 (@kura59413299) January 30, 2022
なぜ(自分も含め)損切りが容易ではないのかは、すでに説明されている為、まとめてみました
「損切りは失敗ではなく、次の成功のチャンス」
そう思って賢く損切りしていきたいですね#投資家と繋がりたい#投資初心者と繋がりたい pic.twitter.com/CoaFouCSwP
損切りできない投資家たち
基本的にほとんどの投資家は、当初の購入価格よりも低い価格で取引されている投資商品を売りたがらない。
投資家には、投資先の株価がプラスに転じるまでは持ち続けたいという強い欲求が、だれしも心の中に生じているからだ。
いわゆる「損切り」ができない投資家たちは数多く存在する。
投資の購入価格は、今日の投資の意思決定に無関係であるということをわかっていても、それを「理解」して「行動」するのは非常に難しい。
重要なのは、現在の市場の状況に基づいて、投資資金で最善の決断をすることだ。
ゼネラル・エレクトリック(GE)の例
ここで、ゼネラル・エレクトリック(GE)例にとって見てみよう。
ちなみにGEとは世界最大のコングロマリットで、過去には米国のなかで時価総額1位だったこともある。超名門、超優良企業。
以下がゼネラル・エレクトリック(GE)の株価だ。
2017年3月にゼネラル・エレクトリック(GE)株を240ドル/株で購入したする。
悲惨なことにすぐに値下がりが始まり、年末には145ドル/株で取引される。
君のGEへの投資額は9ヶ月で約-40%減少してしまった。
どうすればいいのでだろうか? 君は迷い迷い、様々な思いが逡巡することだろう。
正直なところ、誰も未来を予測することはできない。
GEはかつてS&P500指数で最大の企業だった。そして、世界最大のコングロマリットとなったGEの名声には、並ぶものなどいなかった。
とてもとても難しいことだけれども、GE株の当初の購入価格は忘れなくてはいけない。
もし君が損切りできずに、株が購入価格に戻るのを待つことにしたなら、君はまだ動けない。
そしてGE株は今日$92/株で取引されていて、君の最初の購入価格から-62%ダウンしている。
今回、損切りの重要性を伝えるために僕は意図的にGEという企業を選んだ。
でも、これは実はどの株にも言えること。
過去に君のために株価が復活した株であっても、そしてそう、現在どれだけ偉大な企業の株であっても、君の株が、一度落ちた株が買った水準に戻るという保証はどこにもないんだ。
結論は一つだ。
損切りをできるようになろう。
バイ・アンド・ホールドが無効な戦略だと言っているのではない。
また、すべての値下がりした株をあきらめるべきでもない。
でも、いつまでも株価が買った当初の金額に戻ることを待っているのは、無益な行為だ。
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