【投資の名著紹介】『ウォール街のランダム・ウォーカー』【ネタバレ】【解説】

投資

「投資について簡単なことはわかったけれど、一度じっくりと勉強してみたいな……」

「投資をするようになってきて、名著と呼ばれる本を読んでみたい! だけど、分厚い本を購入するのは気が引ける……」

この記事はそんな思いを抱えた主に投資初心者~中級者に向けて書いています。

ジェイくん
ジェイくん

僕も分厚い本は眠くなるから嫌だジェイ!
簡単に解説してほしいジェイ!

今日紹介する投資の名著は『ウォール街のランダム・ウォーカー』です。


ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)

米国のインデックスファンド(ETF)にお金を突っ込むだけの投資は、今でこそDaigoさんやひろゆきさん、元オリエンタルラジオの中田さんが推奨しており有名ですが、この本ははるか昔、45年以上前から「インデックスファンドを買うことが最も確実性の高い投資」ということを明言しています。

現在までに150万部が売れた名著で、データ、コンテンツは幾度となくアップデートされています。(最新版には仮想通貨についての言及もある)

ここではまとめを簡潔に説明しているので、もっと詳しく知りたくなった方は原著をどうぞ!

『ウォール街のランダム・ウォーカー』結論

株価はランダムウォークするもの(過去の傾向や軌跡から、未来の動きを適切に見極めることができない性質のもの)である。しかしながら、(米国)株式市場全体は多少の落ち込みはあれど、基本的は右肩上がりの成長を続けてきた。

米国の株式市場全体に投資をすることは、過去のいかなる地点においても、テクニカル戦略やファンダメンタル分析を用いた投資家よりも優れた成績を上げてきた。

このため、投資初心者は思考停止でインデックスファンド(S&P500など)を買うのが最も賢い投資方法になる。

※テクニカル戦略……株式のチャートを分析して、「この形は○○だね!」とかあーだこーだ言うこと。意外と土台となる論理的根拠があやふや。

※ファンダメンタルズ分析……物事にはその本質的な価値があるという考え方。株式もしかり。株価がその本質的な(ファンダメンタルな)価値より下なら買いだし、上なら買うべきではない。つまりある会社の本質的な価値を算出して、その価値(株価)より安ければ買う、という投資手法。こう聞くと最もなようだが、そもそも「ある会社の本質的価値を正当に評価」することは極めて難しい。

投資サラリーマンの所感

株価はランダムウォーク(過去の性質から未来を見通せないもの)というは、ある一定の説得力がありますね。コロナで100万失った経験からもそう思います。思えばコロナからの回復基調にあった5月、6月はみずほ証券のYOUTUBEでは毎日2番底はいつか、みたいな話をしていました。僕は2番底が来ると信じて日経ダブルインバースを150万くらい買っていました。詳しくはこちら

やはり、株価というのはいかなる分析を持っても予測することが容易ではない。だから、つね右肩上がりのインデックスファンド(S&P500)を買おうというのは、非常にわかりやすい論理でした。

しかし、もちろんこの方法では、例えば30歳で億り人! みたいなことは(よほど運用にさけるお金がない限り)達成しえません。インデックスファンドに投資するのはいわば、ローリスク・ミドルリターン。

だから、成長株をつかむためのアプローチも説明しています。

けれどその前に説明するべきことが1つあります。

本書で紹介されている、砂上の楼閣理論です。

✔砂上の楼閣理論:

急騰する株価を砂上の楼閣にたとえた理論。ケインズも用いたとされるアプローチで、その株価の本質的な価値を考えることなく、とにかく群衆がなにを思うかを考える。群衆がある株を高く評価することが、いち早く分かれば、株式市場の中で突如立ち上がる砂上の楼閣にいち早く乗れ、株価上昇の恩恵を受けられる。

思考停止のインデックスファンド買い作戦というは、突出した利益を上げにくいことも特徴です。(その分突出して負けるリスクもないが)なぜなら、株式市場に平均的に投資するということは、その分バカ勝ちする可能性を排除しているということですから。(安全性を獲得する代わりに)

では、成長株をつかむ秘訣は?

こう簡単にまとめられていました。

低PERで、今後成長が見込めるかつファンダメンタル価値よりも下がっている銘柄。さらに、その成長において砂上の楼閣が立ち上がるようなストーリー性のある銘柄が望ましい。

なるほど、分かりやすい。でも本書で、ファンダメンタル分析ってそもそも根底の計算方法に不確実性が含まれるからって切ってたわりにはファンダメンタル分析使おうって言ってるの矛盾してたけど

終わりに

ほかにも過去のバブルの事例や、相場の歴史なども簡潔にまとめられているから、これ一冊で今までの株式市場のことを網羅的に理解できる。(どうしても米国の株式市場中心にはなるけれど)。

初心者を脱出してきた初級者~中級者に特におすすめです。

元々、経済理論とかを好きな人にとっては読み物としても面白いと思います。

最後にこの本を象徴するような皮肉が乗っていたので紹介します。

「値上がりした銘柄を見つけたのはとても素晴らしい。しかし、全体としてS&P500勝てたのかね?」


ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)

コメント

タイトルとURLをコピーしました