なんてことはない、お金に取り疲れた狂気の人の本でした。
FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド
中国で「桃の缶詰の汁がおやつ」だった貧困時代を乗り越えて、30歳で夫と100万ドルを貯めてFIREした夫婦の物語です。この記事では概要をシンプルに解説していきます!
筆者クリスティの欠乏マインド
欠乏マインド……人は自分に足りないものを何より大切ととらえる心理の働き。
例えば、飢餓を経験した人は、一般的な人よりも食べ物のことを考えるようになる。筆者であるクリスティは、幼少期に「桃の缶詰の汁」がおやつになるような貧困を経験します。
そしてその経験から「お金が何より大切」「金ほど大切なものはない」という欠乏マインドに取りつかれるようになります。
「お金は血を流してでも得る価値のあるものである」
このマインドこそが、クリスティがFIREするに至ったすべての土台です。
ちょっと怖いジェイ!
この欠乏マインドと若い頃にしてきた貧困の経験から、彼女は節約に関してはオードリー春日です。
そのため彼女のもとにFIRE相談のメールが来ると、「まだまだ切り詰められる」と思うそう。
日本でFIREを達成した穂高さんもそうなんですが、サラリーマンでFIREを達成した人はみんな節約の鬼ですね。
穂高さんはエリートサラリーマンなのに白湯飲んでたゴンなぁ……
まだ自らの情熱に従うな
「好きなことで、生きていく」をするなとクリスティは言います。
正確にいうと、キャリア選択の軸を「POTスコア」にしろ、と。
POTスコアはクリスティが作り出した数値で
「POTスコア=ある職業の収入の中央値ー国の最低賃金/その職業の学位のためにかかった金額」
で求められる。
即ち、学位の費用対効果を測る指標。
「まずは金に従え。好きなことをやるのはそれからだ」とクリスティは言う。
実際にクリスティはライターになりたいという夢があったにも関わらず、ライターのPOTスコアがあまりにも低かったため(文学部の学位の費用対効果がなさ過ぎたため)諦めています。
しかし、彼女はお金をまず追い求めた後で、今回私が紹介しているように書籍を出版すること、つまり、ライターとして仕事をするという夢をかなえています。
夢を追う自由を得るために、まずはお金を追う。これがクリスティの提唱する夢の叶え方です。
この章で最後に彼女が言うのが印象的でした。
「私は、何一つ後悔していない」と
借金は絶対にするな
アインシュタインが「複利は世界の8番目の不思議」と言っていたことは有名ですね。
今投資書籍を読めば、これでもかというくらい複利の素晴らしさをどれも語っています。複利によって、年数を経るたびにどれほどお金が雪だるま式に増えていくかを。
が、借金はそれが丸ごと真逆になります。複利分、お金がかかってきます。
筆者は「何かが欲しいときは基本貯めてから買え」と推奨しています。
でもたしかに、小学生の時、何かのためにお金を貯めにためて買ったもののほうが思い出に残ってますよね。
モノへの支出は抑え、経験に払おう。また、支出を4つのステップに分けて削ろう。
モノへの支出による幸福度は逓減します。(徐々に減っていく)
これはわかりますよね。人生で最初の伝説のポケモンは死ぬほど貴重だけど、5匹目とかもうなんも感じませんよね。
人生で最初のコーチのバッグはものすごく嬉しくても、6個目のバッグは1個目ほどではない。
ここからわかることが、支出の額と幸福度は比例しないということ。
だから支出は以下の3つに分けられる。
- あなたを幸福にしない支出 基礎的な支出
- ご褒美
- 想定外の費用
よって以下の4ステップで支出の最適化を図ろう
- 基本的な支出を削る
- 削ると痛みを伴うけれど、徐々になれるだろう支出を削る
- 想定外の費用をもたらす固定費見直し(車を手放す等)
- 削れた分を「ご褒美」の支出に回す
ステップ4の最後に「ご褒美」があるのがこのステップのいいところだよね。
インデックスファンドを買いましょう
インデックスファンドについてはこちらに詳しいです。
クリスティもインデックスファンド派でした。
クリスティ事業所得を得ようとするが、失敗
欠乏マインドにつりつかれたクリスティは、さらにお金を増やすために、せどりやアフリエイト等
色々な副業に手を出しました。が、結果彼女はうまくマネタイズすることができませんでした。
そこでブチ切れて部屋のモノに当たり散らしたところ、砕けて床に落ちた額縁が目に入ります。
そこにはこう書かれていました。
「TIME = MONEY」
今までは、今ある時間をすべて使い、お金を手に入れようとしていたクリスティ。
しかし「結局、時間こそが一番大切で、お金は時間を得るための手段」という考えに変わります。
4%ルールの発見
4%ルールというものがあります。
これは65歳で退職した人を対象に行った調査の結果から導き出された数値です。
結論「ポートフォリオの4%の金額で1年暮らせればリタイヤ後95%の確率で老後資金が尽きない」
という法則です。
これで、自分がリタイヤするのに必要な金額が導けます。年の支出に25をかければいいだけだからです。
クリスティはここから、自分がリタイヤに必要なのは100万ドルと導きました。
なんか、5000万貯まってた
おっす、オラクリスティ!
ひゃ~~~6年頑張って働いていたら、50万ドル貯まったぞ!(!?!?) あと3年くらいでFIREできそうだから、オラワクワクすっぞ!
クリスティと夫は懸命に働き、6年で50万ドルという資産を形成しました。この時点でクリスティは、あと3年ほど働けばFIREできる金額を貯められると気づきます。
9.4%ルールでは5%の人の資金が尽きるから……
4%ルールについてはもう説明しました。しかし、この4%ルールには大きな欠点があります。
それは、5%の人は資金が尽きてしまう、ということです。
クリスティと彼女の夫は、様々なリサーチを行った結果、5%の資金が尽きてしまう人の特徴は「リタイヤした5年以内に株式市場で大暴落が起こり、狼狽売りをしてしまう人」だと結論づけました。
そのため二人は、大事な資産をもっとも安い時期に狼狽えて手放さないように以下の対策を講じます。
- 具体的には最初の5年だけ、ポートフォリオに高配当株を多く組み込む。
- 配当利回り込みで、2年暮らすのに必要な現金は持っておく。
旅行はエコ
無事、100万ドルを貯めてFIREを達成した二人。FIRE元年、彼らは世界旅行をしました。そして、1年がたち帰国し、一年の支出を計算していると、クリスティは衝撃を受けます。
世界一周旅行をしていた年の支出が、彼らがカナダで暮らしていた時と変わらなかったのです。
これには以下の理由があったと彼女は分析しています。
- 西欧や日本などの「物価が高い国」と東南アジアなどの「物価が安い」国の割合をうまくミックスして旅行したこと
- airbnb(民泊)を使い、ホテルよりも安く宿泊費を済ませ、かつローカルスポットを楽しんだこと
- 旅行保険に必ず入り、想定外の費用をなくしたこと
サイドFIREでもいいじゃない
クリスティは鉄の意志でFIREを達成しましたが、彼女は必ずしも自分のようにFIREを達成する必要はないと述べています。即ち、完全なリタイヤではなく、部分的にリタイヤする道もあるだろうと。
それがサイドFIREです。即ち、アルバイトや自分が情熱を注げる副業(例えばテニスコーチ等)で年100万~200万稼いでより少ない資金で経済的自立を達成しようというやり方です。
4%ルールに従えば、年100万の収入があるだけで、8~10年は前倒しで経済的自立を達成できる計算です。
まとめ
クリスティは鉄の意志でFIREを達成し、世界一周旅行に旅立ちました。
彼女の徹底した投資マインドとやり方の中には、我々でも学べるところがあると思っています。特に順序を付けて支出を削っていくやり方などは、すぐに実践できますし、「ご褒美」を設けているので長続きもしそうですよね……
ダイヤモンド社から出版されている彼女の著作は分厚く、この記事では紹介しきれなかった(あまり一般向けではないため省いた)部分も多くあります。気になったらご一読しても損はない良書です!
FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド
今日もいい日になりますよう。
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